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道

10/17/2026 小笠原道大

PROFILE

小笠原道大

元プロ野球選手

この小笠原 道大は元プロ野球選手。右投左打。愛称は「ガッツ」「北の侍」「ミスターフルスイング」 NPBの現役選手時代は1997年から2006年まで北海道日本ハムファイターズで、2007年から2013年までは読売ジャイアンツで、2014年から2015年までは中日ドラゴンズでプレーした。日本ハム時代にはパシフィック・リーグの首位打者2回、本塁打王1回、打点王1回などのタイトルを獲得、また日本ハム時代の2006年にはパ・リーグのMVPを、巨人時代の2007年にはセントラル・リーグのMVPをそれぞれ受賞している。2004年アテネオリンピック野球の銅メダリスト。通算安打数2120本

小学校2年生でチームに入って以来、小笠原道大の生活の中心には野球があった。ただ、始まりは自分の意思ではなかったという。やがて夢中になった野球が仕事になったとき、その向き合い方はどう変わったのか。野球との出会いから、現役時代を支えた思いまでを聞いた。

——野球を始めたきっかけは?

小笠原:親も経験者だし、兄もやっていたので、後ろについて回っていたんです。野球が好きというか、ボールを投げてちょこちょこやっていたのは好きだった。ただ、チームに入ったきっかけは無理やりというか。自分の意思ではなく、勝手にテストを受けさせられて、なんか入ったみたいな。自由がなくなるでしょう。休みの日にいつも遊べるわけではなくなるし、自分の意思でもないから、小学校2年生の時には、なかなか前向きにはなれなかった部分もあるんだけど。やっていくうちに、やっぱり野球が嫌いなわけじゃないし、やるのは好きだったから、だいぶ環境に慣れていって、夢中というか、うまくなりたいと思うように。そういう感じでやるようにはなってきましたね。

——これほど長く、野球と付き合ってこられた理由は何でしょう?

小笠原:なんでしょうね。野球しかなかったし、自分が野球で形成されていったし、もう一部になっているんだよね。今となっては、野球がなかったらというのは想像できない。勉強もできない、人付き合いも得意ではない。野球以外の運動も得意ではなくて、センスがないという自覚があるのでね。だから、野球をやっていてよかったなという部分はあるんですよ。

——好きだった野球が仕事になると、向き合い方は変わりましたか?

小笠原:それは難しいんだけど、単純な「好き」ではなくなりましたね。やっぱり求められるものがあるし、やらなければいけない。仕事だから、結果を出さなければ残れないし、稼げない。プレッシャー、ストレスは、必然的に誰でも感じるようになると思うんですね。競争もあるし、ただやりたいなというだけでは、好きだというだけでは成り立たない部分はあるかな。私の場合は、プロに入るのと同時に結婚したので、自分ひとりではなく、家族も養っていかなくてはいけない。なおかつ、時間は不規則だし、自由がない。他の家庭とは違うわけですね。夏休みもなきゃ春休みもない、一緒に過ごせるのはオフだけなんですよ。家族には、いろんなものを犠牲にしてもらって、我慢してもらっているからこそ、少しでも余裕のある生活をさせてあげたいという思いもありました。そこは、やっぱり仕事なので一番を目指さなくてはいけないし、「これでいい」ということはない。仕事になると、そこは違いますよね、同じ野球でも。

——思い通りにいかないとき、支えてくれたものは?

小笠原:思い通りならないときは、何度もありましたよ。でも、やっぱりうまくなりたい、これをやり遂げたい、あと、負けたくない、そして一番になりたいという気持ちが強かったので、先を求めて、高みを目指すほうが強かった。そこでやめることはなかったし。プロに入ってからでも、うまくいかないことはいくらでもあるんだけど、そこの支えはやっぱり家族でした。サポートしてくれたこともそうだし、逆に存在が支え。やらなくてはいけないという、ある種、使命感じゃないけども、守らなくちゃいけない人がいたから、前に進めた。下を向かずに。一瞬でも隙を見せたら、その場を奪われてしまうので。常に緊張感がある中で生きていました。最後の引退するまで同じ気持ちだったかな。

——家族との時間、関係について、どんな思いがありますか?

小笠原:授業参観とか、そういうことにも行けない。母親しか行かない。そういう寂しい思いはさせていたし、子どもが小さいときは、違う地方に行って、一緒に住めていないので。本人たちがどう思っているかはわからないけど、周りとは違うというのはありますし、それは僕自身も意識しているから、今でも何か自分がサポートできることはないだろうかと考えています。逆に恵まれていたのは、自分の働いている姿を、公共の電波を使って見せられるわけですよ。だからこそ、トップで走り続けなくてはいけないというのがあったのかな。

——現役生活は、つらかったですか? 楽しかったですか?

小笠原:一言で「つらい」はないかな。それはない。自分が続けてきたことを仕事にできているので。ずっとやってきたことだからこそ突き詰められるし、頑張れるというか。それはちょっと矛盾なんだけど、継続してきたことだからこそ、というのはあるかなと思います。つづく

 

Model Michihiro Ogasawara https://www.instagram.com/michihiro_ogasawara_official/

Photo  Yuji Takeuchi https://www.instagram.com/ballpark.inc/

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