球場では、プレーする選手はもちろん、観客も主役になることができる。
声援を送ったり、広い空や風を感じたり、うどんを啜ったり、思い思いに過ごせる最高の場所。
2006年に仕事で訪れたサンフランシスコで、初めてアメリカの野球を観た。
球場に向かうワクワク感、球場の大きさ、芝生の美しさ、大きな歓声、ホットドッグのうまさ。
父に連れて行ってもらった広島市民球場の記憶が蘇り、その記憶をたどるように無心に球場、そして観客を撮り続けた。
その時、子どもの頃に戻れたような不思議な感覚は、今でも忘れられない。
コロナで日常が一変し、自分にとって大切なものとは何かと考えるようになった。
今の自分をつくったのは、広島というのどかな場所、いろんな経験を積ませてくれた両親、
バカなことを一緒に楽しんでくれた親友たち、今を支えてくれている家族に間違いない。
この経験こそが、自分にとっての原風景だと思う。
そして写真を通して原風景を行ったり来たりできるのが、写真の面白さであり楽しみなのだと思う。
この写真たちが、手に取っていただいた方々の原風景を掘り起こすきっかけになることを願っている。
自分の“ROOT”を探し、原風景を感じ、楽しむことができたら、人生が豊かになると、僕は確信している。
最後に、親友である映画監督の西川美和さんから、この写真集に贈っていただいたメッセージを紹介したい。
「野球場の日差しほどまばゆいものはない。売店で、コンコースで、プレイボールを待つ。こんなに心躍るひとときはない。
夕闇が降り、カクテルライトのもとで大好きな選手を目で追う子供や老人。こんなに幸福な風景はない。これは天国の写真集だ」
この言葉をいただいた時、鳥肌が立った。こんな素敵な親友をつくれる野球って「最高!!」
竹内裕二
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